鬼才ミヒャエル・ハネケ監督 - Photo:Nobuhiro Hosoki カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを授賞した映画『The White Ribbon』(英題)について、鬼才ミヒャエル・ハネケ監督に話を聞いた。本作は、ファシズムが台頭しつつある第一次世界大戦前のドイツを舞台に、村の学校で儀式的に行われる子どもたちへの体罰と学校教育を描いたモノクロ作品。 ハネケ監督は「この映画は、人々がイデオロギーや概念に従いやすいことを示している。その意味では、われわれの間でよく知られているイデオロギーはドイツのファシズムだと思う。ただし、この映画はファシズムを描いた作品ではなく、あくまで歴史的事実を活用して、『いかにして人々はイデオロギーに操られやすいか』ということを探った」とテーマを明かす。本作は映画『隠された記憶』同様、主人公が謎を探っていく探偵譚(たん)的な側面がある。しかし「そうい