本稿では、地方自治体の広報誌に掲載された、1979年から2018年に生まれた新生児の名前を分析し、40年間にわたって、個性的な名前の割合が増加していることを明らかにした論文を、領域外の方にも理解していただけるように紹介しています。特に、日本の名前研究を進めることの難しさと、それをどのように解決してきたのかについて、やや詳しく説明しています。紹介している論文はオープンアクセスですので、どなたでもお読みいただけます。本稿では、「名前」と表記した際には、氏名の「名」(ファーストネーム)を意味しています。 概要 地方自治体の広報誌に掲載された、1979年から2018年に生まれた新生児の名前を対象に、個性的な名前の割合の経時的変化を分析しました。その分析の結果、個性的な名前の割合は40年間にわたって増加していました。個性や他者との違いを重視し強調する方向に、日本文化が徐々に変容していることを示唆して