コロナ禍の2020年、自殺で亡くなった人の数が11年ぶりに増加した。なかでも深刻なのが、10代、20代の若い世代だ。警察の調べでもはっきりとした原因がわからず、「不詳」とされるケースは3割に上っている。なぜ若者たちは死を選んでしまうのだろうか。家族など周囲にいる人はどんなことに気をつけたらよいのか。その糸口を探る。(取材・文:NHKスペシャル取材班、写真:葛西亜理沙/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) ある大学病院の救急センター。コロナ禍のいま、自殺を図った若者の搬送が相次いでいる。この春、ひとりの大学生が搬送されてきた。医師や看護師が治療しながら、声をかける。 「大丈夫? 頑張って」 大学生は何とか一命を取り留めた。処置が一段落し、静寂が訪れる。 この病院では、自殺を図った背景まで丁寧に聞き取り、心のケアも行っている。カーテンで仕切られた病室で、臨床心理士の女性が大学生と2人
![若者の「不詳の死」をどう防ぐのか――遺族らが語った兆候と背景(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/91f0165da90deca2e71d0ba7cab8e2dd2037ecad/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnewsatcl-pctr.c.yimg.jp%2Ft%2Famd-img%2F20210613-00010000-ytokushu-000-2-view.jpg%3Fexp%3D10800)