トヨタ自動車が国内生産態勢の改革を本格的に始動させた。6日には宮城県大衡村でグループの車両組立新工場を稼働。今後はこの新工場を中心として東北を中部、九州に続く「国内第3の生産拠点」に再編する。円高や国内市場の縮小などで国内メーカーには逆風が吹いており、トヨタの改革の成否は国内製造業の空洞化に歯止めをかけられるかどうかの試金石ともなりそうだ。 「やっとここまで来た。世界のお客さまに、東北から良い品質の車を提供したい」。トヨタ子会社、セントラル自動車の白井安良副社長は同日、新工場にかける思いをこう語った。 新工場は、相模原市にあるセントラル自動車(従業員数約1500人)の本社工場老朽化に伴い建設。年産能力は最大12万台で、北米やアジアなど海外輸出向けの小型車「ヤリスセダン(日本名・ベルタ)」を製造する。相模原工場は3月に運転を終了。4月以降は生産を全面的に宮城工場に移管し、本社も移す。