【フランクフルト時事】欧州中央銀行(ECB)は7日、ユーロ圏諸国の国債買い取りを「積極的に実行する」との声明を発表した。利回りが急上昇しているイタリアとスペイン両国の国債を、週明けから流通市場で大規模に購入するとみられる。経済規模の大きい両国の財政を死守し、世界的な信用不安の波及を食い止める考えだ。 ECBは声明で、両国の財政再建への取り組みを評価。また、ユーロ圏諸国が債務危機時の安全網として設立した「欧州金融安定基金(EFSF)」に国債購入を可能にさせる機能拡充について「各国政府の準備ができていることが重要」と指摘した。 EFSFの機能拡充には、ユーロ圏諸国の議会承認が必要。独仏両国はこの日、9月末までの議会承認を目指すと表明した。リスクの伴う国債購入の役割を短期間でEFSFに引き継ぐ見通しが立ったことで、ECBは介入に踏み切ったとみられる。 【関連記事】 【特集】アイルランド