阪神との交流戦3連戦はシリーズ並みの人出だった。ヤフオクドームのお客さんではなく、報道陣の数だ。 初戦から日刊スポーツでも評論家を含めると現場デスクに編集委員、虎番記者…総勢8人の取材態勢。日本シリーズでもクライマックス・シリーズでもあるまいに、各社同じような陣容で乗り込んで来る。昔は巨人担当が一番多かったように思うが、もうその比ではない。 そんな中、一塁側ベンチ前に懐かしい顔があった。ホークスから日本ハム、そして阪神に移籍し、左腕エースとして活躍した下柳剛氏だ。ラジオ解説でやって来た。通算129勝を挙げ、阪神在籍時には最多勝を含め5度の2ケタ勝利をマークするなど大活躍したサウスポーだ。プロの原点はこのヤフオクドーム(福岡ドーム)だった。 「あんなの球界でも誰もいませんよ」。下柳氏は豪快に笑って昔を回想した。ダイエー時代の94年。ある試合で中継ぎで登板していたときのこと。5回終了時に球場内