「なぜあのとき、逃げる選択をしなかったのか・・・。本当に後悔している」 福島県いわき市の小野陽洋さん(33)は、東日本大震災で大津波警報が出ていることを知りながら避難せず、動画を撮影し続けました。 そして津波に飲まれ、九死に一生を得ました。 後悔の念から始めたのが語り部の活動。 しかし震災から13年以上が経過したいま、この先どこまで教訓を伝えることができるのか、不安を覚え始めています。 小野さんがこの夏、訪ねたのは長崎県。 79年前の原爆の記憶を語り継ぐ49歳と18歳の親子から、そのヒントを得たいと考えたのです。 (福島放送局 アナウンサー 武田健太 松廣香織) 避難せず撮影を続けた自分のまねはしてほしくない 20歳のころの小野さん 震災当時20歳だった小野陽洋(あきひろ)さん。 工業高等専門学校の卒業を間近に控えていました。 海の目の前にあった自宅に祖母といたところ、大きな揺れに襲われま