“盟友”の心の内に今も生き続ける真実のセナ像とは――。 没後10年が経った'04年3月、仏誌『レキップ・マガジン』に 掲載された、貴重なインタビューをここに抄録する。 「僕らは何年もバトルを繰り広げてきた。厳しい戦いだったが、好敵手として互いに相手を認めあっていた。アイルトンは、純粋にスポーツの観点から見たとき、僕が尊敬するただひとりのドライバーだ。僕らはどちらが欠けていても、キャリアと人生の持つ意味が、まったく違ったものになっていただろう」 1994年5月5日、サンパウロで行なわれたアイルトン・セナの告別式で、アラン・プロストはそうコメントした。だが、以降プロストは、セナに関して公の場で語ることはほとんどなかった。 それから10年。プロストは意を決して口を開いた。時を経なければ、咀嚼できないことがある。語れないことがある。長い沈黙の後に、最大の好敵手が明かしたセナの実像とは。 ――セナと