帯広名物「豚丼」の歴史十勝・帯広の郷土料理として有名な「豚丼」は、帯広の食文化そのものといえます。帯広と豚の縁はとても深く、140年ほど遡ります。 十勝開拓の祖と言われる依田勉三率いる晩成社が、1884年に豚4頭を連れて入植したのが帯広での養豚の始まりです。 その後、100頭を超すまで飼育頭数を増やし、豚肉を煙で炙ってハムを製造し、販売を模索しました。しかし、当時の人は豚を食べる習慣がなく、札幌などへ輸送する費用もかかるため、事業は失敗。 こうして、晩成社による試みは陽の目を見ませんでしたが、豚の飼育の普及に大きく貢献しました。こうした背景から、開拓時代には「牛は牛乳、馬は馬力、豚は食料」と言われ、依田勉三の詠んだ歌「開墾のはじめは豚とひとつ鍋」からも、帯広にとって豚の存在が大きいことが読み取れます。 その後、1920年頃には、大正末期には豚肉料理が一般的になりつつありましたが、庶民が食べ