「愛」とは何か──それは、人間の永遠の問いかもしれない。愛は私たちにとってどのような存在なのか、私たちの身体にどのような影響を及ぼすのか、脳神経科学の分野では盛んに研究されている。自らの体験と科学的知見をもとに、愛について考察した本を書いた脳神経科学者が、米「ニューヨーク・タイムズ」紙に愛の大切さと科学的効果について語った。 脳神経科学者ステファニー・カシオッポは、新著のなかで夫とのラブストーリーを綴りながら、恋愛や喪失、人と人のつながりについて掘り下げて論じている。 人は愛なしで生きていくことはできるか? 結婚前、ステファニー・オルティーグという名前だったこの脳神経科学者は長年、「できる」と考えていた。 人と人のつながりについて科学的に研究してきたにもかかわらず、一人っ子で、20代から30代にかけて幸せな独身生活を送ってきた。自分自身の人生における愛の重要性を完全には理解していなかったの