夫が出張から帰ってきました。 何日かぶりに。 でもまたすぐ出て行くというのですよ。 寂しくて悲しくて。 行くときには持っていなかった、人1人が入りそうな大きなボストンバックに、着替えやら身の回りの荷物を嬉しそうに詰めて。なんでまた出て行くのにそんなに嬉しいのか不思議でしたが、夫はものすごく明るく楽しそうに支度をして、待ちわびていた舅や姑との話もそこそこに出て行こうとします。もちろんわたしと話す時間もなく。 庭にその大きなボストンバッグを置いて、夫はわたしににこやかに手を振ります。わたしは玄関からそれを見送っていましたが、去り際に夫が放った言葉に耳を疑います。 「じゃあ、俺、彼女と暮らすから。月に1度は戻ってくるからねー」 「え?な...なに?」 冷水を浴びせかけられた気持ちになりながら、道路を曲がっていこうとする彼を追いかけようと、玄関の三和土に降り「靴...サンダル...ビーサンでもいい