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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (13)

  • 失われた大陸「ジーランディア」の全貌がついに判明、範囲明確に

    ニュージーランド南島の西海岸にあるパンケーキ・ロックス。この島国はジーランディアという水没した大陸の先端にあたる。2023年、ジーランディアのマッピングがようやく完了した。(PHOTOGRAPH BY JOANA KRUSE, ALAMY STOCK PHOTO) 長年にわたる探査と調査の末、南太平洋に沈む大陸「ジーランディア」の地質図が完成した。岩石サンプルと地域の磁気データなどを調べた結果、ニュージーランドを取り囲む海に隠された範囲が明確になった。この大陸地殻が水没したのは何千万年も前で、面積は約500万平方キロに及び、先住民マオリの言葉で「テ・リウ・ア・マウイ」と呼ばれている。論文は学術誌「Tectonics」に2023年9月に発表された。

    失われた大陸「ジーランディア」の全貌がついに判明、範囲明確に
  • 身長3mで史上最大の類人猿、食べ物の好みを変えられず絶滅

    中国南部に生息していたギガントピテクス・ブラッキーの群れの復元図。うっそうとした森林が開けた草原へ変化するにつれ、史上最大の霊長類は衰退し、最終的に絶滅した。(ILLUSTRATION BY GARCIA/JOANNES-BOYAU, SOUTHERN CROSS UNIVERSITY) ギガントピテクス・ブラッキー(Gigantopithecus blacki)は史上最大の類人猿だった。おとなの身長は約3メートル、体重は200〜300キロもあり、現在の中国にあたる地域の深い森林に生息していた。 1月10日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された論文は、地質年代と花粉記録、化石の歯の中に保存された手がかりを組み合わせて、ギガントピテクス・ブラッキーが衰退し、絶滅するまでの道のりを詳しく明らかにした。 この印象的な草動物が考古学者によって発見されてから100年近くになるが、絶滅の原因ははっき

    身長3mで史上最大の類人猿、食べ物の好みを変えられず絶滅
  • ナポレオンとジョゼフィーヌ、波乱で奇妙なロマンスの真相とは

    1804年12月、ノートルダム大聖堂で、フランス皇帝ナポレオンがのジョゼフィーヌに皇后の冠を授けた。画家ジャック・ルイ・ダビッドの作。1809年、後継ぎが生まれないことを理由にジョゼフィーヌは離縁され、夫の不安定な関係に終止符が打たれた。(PHOTOGRAPH BY BRIDGEMAN IMAGES) ナポレオンが軍隊で昇進を重ね、フランス革命の混乱を収めて第一統領に就任し、とうとう皇帝の座に上りつめるまでの14年間、彼のかたわらにはのジョゼフィーヌがいた。ナポレオンがに書き送った多くの手紙から、ふたりの関係はロマンスの典型として長く支持され、たくさんの伝説が夫婦関係から生まれている。近年では、ふたりのロマンスの虚構をあばく歴史家もいるが、映画『ナポレオン』のリドリー・スコット監督は、ジョゼフィーヌをナポレオンが「当に愛した唯一の女性」と考えている。 「(ナポレオンは)突然に頭角

    ナポレオンとジョゼフィーヌ、波乱で奇妙なロマンスの真相とは
  • ハブ毒の酵素でアルツハイマー病の原因物質を分解、東北大など

    毒蛇のハブが持つ毒素から精製したタンパク質分解酵素が、アルツハイマー型認知症の原因物質とされるアミロイドベータを分解することを東北大学などの研究グループが発見した。人間の体内酵素がアミロイドベータを分解することは知られていたが、生物の毒素も効果的だと分かったのは初めて。アルツハイマー病の新たな治療法の開発につながることが期待されるという。 東北大学大学院農学研究科の二井勇人准教授(酵素化学)と小川智久教授(タンパク質化学)は、ハブ毒から金属イオンとタンパク質との相互作用を利用し、蛇毒メタロプロテアーゼというタンパク質分解酵素を分離、精製した。ハブは2018年に九州大学などのグループが全ゲノム解読に成功している。ハブ毒は11種類のメタロプロテアーゼを含む多くの成分によって構成され、「タンパク質のカクテル」といわれる。メタロプロテアーゼの働きによって、ハブに噛まれた人は内出血や血液凝固を起こす

    ハブ毒の酵素でアルツハイマー病の原因物質を分解、東北大など
  • マヤ文明崩壊の謎を追う、「ある日突然捨てられる都市」が拡大

    ティカルの神殿 太い木の根が這うグアテマラ、ペテンの密林の上にそびえる、古代マヤ都市ティカルの5号神殿。高さ57メートルのこの建造物は、中央アクロポリスの南に600年頃に建てられた。(BRIAN VAN TIGEHM/ALAMY/ACI) マヤ文明はかつて、現代のメキシコ南部と中米にかけてのメソアメリカ地域全体に広がっていた。そこでは都市が繁栄し、何千人もの人々が暮らしていたが、西暦800年からおよそ200年の間に都市から人がいなくなり、壮大な寺院は打ち捨てられ、見事な芸術品は未完成のまま放置された。 その終わりと同じく、マヤ文化の始まりもまた、いつだったのかを特定するのは簡単ではない。多くの学者が、マヤ文化が形成されたのは、南米から狩猟採集民がメソアメリカ移住して以降の紀元前7000年から紀元前2000年までのどこかの時点だと考えている。 紀元前4000年頃、彼らの主だったトウモロコ

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  • 2000年間話し手がいなかったヘブライ語、どうやって復活した?

    2023年に競売にかけられた、最古にして最も完全なヘブライ語聖書である「サスーン写」。こうした宗教文書は、2000年にわたってヘブライ語が存続した大きな要因のひとつだ。(PHOTOGRAPH BY WIKTOR SZYMANOWICZ, ANADOLU AGENCY/GETTY IMAGES) ヘブライ語は生きた言語だ。話者は世界中で約900万人にも及び、この言葉を通じてありとあらゆる思考や望みを伝え合っている。 わずか150年ほど前まで、ヘブライ語は古代の宗教文書の中にしか存在しない言語とみなされていた。当時の人々には、今のような事態は予測できなかっただろう。 ヘブライ語が使われなかった期間は約2000年に及ぶ。その間、ユダヤ人コミュニティーは世界各地に散らばり、それぞれが新たな故郷となった土地の言葉を使うようになっていった。19世紀後半の時点では、ヘブライ語の語彙には、ヘブライ語聖書

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  • 監修者が解説、特別展「化石ハンター展」の見どころ、100年前の“史上最大級”の探検

    10月10日(月・祝)まで、東京の国立科学博物館(上野)で特別展「化石ハンター展−ゴビ砂漠の恐竜とヒマラヤの超大型獣−」が開催中です。ゴビ砂漠を恐竜化石の一大産地に押し上げた化石ハンターからヒマラヤの超大型獣まで、特別展の主な見どころについて、監修者である国立科学博物館名誉研究員の冨田幸光氏に語っていただきます。 ゴビ砂漠が有名な恐竜化石産地だということは、今では誰もがよく知っている事実である。しかし、今から100年前には、偶然見つかった一片の歯化石以外には、化石はまったく知られていない、ほとんど人跡未踏の秘境だったことはご存知だろうか。その人跡未踏の地へ、哺乳類や人類の起源を求めて大探検隊が入ったのが、ちょうど100年前の1922年のことなのだ。 この探検隊を率いたのが、ニューヨークにあるアメリカ自然史博物館のロイ・チャップマン・アンドリュースである。1922年から1930年にかけて、合

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  • サル痘について今わかっていること、感染経路や治療薬、歴史など

    サル痘ウイルス粒子の電子顕微鏡画像。2003年にサル痘が流行した際にヒトの皮膚から採取された。左側の楕円形のものは成熟したウイルス粒子、右側の三日月形や球形のものは未成熟なウイルス粒子。(CDC/CYNTHIA S. GOLDSMITH/SCIENCE SOURCE) 2022年5月7日に英国でサル痘の感染者が確認されて以来、世界各地に感染が広がっており、各保健当局が状況を注視している。世界保健機関(WHO)の5月29日の発表では、5月13〜26日の間に、欧米の少なくとも16カ国およびオーストラリアとイスラエルで、サル痘の確認例が257件、疑い例が約120件報告されている。 サル痘の自然界での宿主は中央アフリカと西アフリカの動物と考えられており、主に森林地帯で流行しているため、それ以外の場所で人間がサル痘に感染することはまれだった。2018年から2021年までの間に、サル痘の流行地以外で感

    サル痘について今わかっていること、感染経路や治療薬、歴史など
  • キングコブラは実は4種だった、謎氷解、遺伝子から明らかに

    インドの多雨林で葉の影から顔を覗かせるキングコブラ。キングコブラの生息域がなぜアジアの広範囲に及ぶのか、科学者たちは長い間、頭を悩ませてきた。(PHOTOGRAPH BY GABBY SALAZAR, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 爬虫両生類学者たちが長年の間、頭を悩ませてきた問題がある。それは、ヒマラヤ山脈のような、とうてい乗り越えられない障壁によって隔てられたアジアの広大な大地に生きるキングコブラ(Ophiophagus hannah)が、どうして単一種なのだろうかというものだ。加えて、体長が5.5メートルにもなるこの世界最長の毒ヘビが、なぜ生息する地域によって姿や行動が異なるのかも不可解だった。 これらの疑問が、ついに解明されるときがきた。新たな研究によると、キングコブラは4つの種に分けられるという。 2021年8月、インドの非営利団体カリンガ財団の生物学者で、

    キングコブラは実は4種だった、謎氷解、遺伝子から明らかに
  • 新型コロナの厄介さと怖さを知る:2つの致命割合CFRとIFRとは

    それでは、COVID-19の基的な特徴を見ていく。潜伏期間や、致命割合といった、その病気の厄介さや、怖さにかかわる特徴だ。 「潜伏期をはじめ疫学的な特徴については、北海道大学の西浦博さんのチームの研究を含めていくつかの論文が出ています。まず、潜伏期の中央値は5日と長いんです(※1)。インフルエンザなら2日ですから、この長さがCOVID-19のひとつの特徴です。また、西浦さんたちのチームの別の論文(※2)の分析では、発症間隔の中央値が4日と潜伏期よりも短いことが分かりました」 ここで、えっと思う人もいると思う。潜伏期間よりも、発症間隔が短いというのはどういういうことか、と。発症間隔とは、「発症した患者から感染した次の感染者が発症するまでの期間」だから、それが潜伏期間よりも短いというのは、よくよく考えてみると、つまり、潜伏期間にある感染者からも感染が起きているということを意味する。西浦さんは

    新型コロナの厄介さと怖さを知る:2つの致命割合CFRとIFRとは
  • コンゴのエボラついに終息へ、決め手はワクチン接種

    2019年、コンゴ民主共和国(DRC)北東部の街ベニ。保健スタッフが救急車にカクレ・カベンディブワくん(14)を運ぶ。この前日、姉妹がカクレくんを近くの保健センターに連れて行ったが、治療センターに行くことを勧められると、逃げ出してしまった。保健センターから連絡を受けた世界保健機関(WHO)が家族を発見。家族は地域の啓発担当者と何時間も話し合った末、カクレくんを救急車で搬送することに同意した。(PHOTOGRAPH BY NICHOLE SOBECKI) 世界は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の話題でもちきりだが、史上2番目に大規模なエボラウイルス病(エボラ出血熱)のアウトブレイク(集団感染)がついに終息するかもしれない。 コンゴ民主共和国(DRC)のキブ地域で、大流行へとつながるエボラウイルス病の最初の症例が報告されたのは2018年8月だった。以後、これまでに約3450の症例と

    コンゴのエボラついに終息へ、決め手はワクチン接種
  • 白人が少数派になる米国で今、何が起きているか

    米国ペンシルベニア州東部の町、ヘイズルトンの自宅前に立つフェリサ・リコ。母と義父との3人暮らしだ。一家は星条旗のほか、南北戦争当時の南部連合旗(左奥)も家の前に時々掲揚する。奴隷制の象徴としてこの旗の掲揚に反対する人もいるが、一家に言わせれば、そうした人たちは米国の歴史を無視しているという。PHOTOGRAPHS BY GILLIAN LAUB 米国の国勢調査局の予測では、2044年までに非ヒスパニック系白人が人口に占める割合は50%を割る。米国の人種間の関係と白人の地位が変わるのはほぼ確実だ。 米国では長年、人種について考えることは白人以外の人々の地位や苦境に目を向けることを意味していた。米国社会は基的に白人社会であり、ほかの人種・民族グループは社会の周辺に押しやられた人々で、人種問題は彼らが直面する問題だと考えられていたのだ。ところがオバマ前大統領からトランプ現大統領の時代にかけての

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  • 【動画】頭が2つあるカメが見つかる、元気に海へ

    米国フロリダ州の砂浜で、アカウミガメの卵が孵化した後の巣穴を調べていた米セントラルフロリダ大学の実習生が、海へ向かおうと必死にもがいている落ちこぼれのカメを見つけた。よく見ると、そのウミガメの赤ちゃんには、頭が2つついていた。 フロリダ州は世界有数のアカウミガメの産卵地で、同大学が調査を行っている全長46キロほどの砂浜では、数千匹ものウミガメが産卵する。フロリダ州全体では、2016年に12万2000カ所を超える巣穴が確認されている。 「発育異常のあるカメが見つかるのは、珍しいことではありません」と語るのは、同大学のウミガメ研究グループを率いるケイト・マンスフィールド氏。「頭が2つあるカメは、もう1匹見たことがあります」(参考記事:「頭が2つあるサメの報告が世界で増加、原因不明」)

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