元航空幕僚長の田母神俊雄氏の講演会が、広島原爆の日の8月6日に広島市内で予定されている。同市の秋葉忠利市長は29日、「被爆者や遺族の悲しみを増す結果となりかねない」として、日程の変更を検討するよう、田母神氏と主催する日本会議広島に文書で申し入れた。 「ヒロシマの平和を疑う!」と題した田母神氏の講演は、6日夜に原爆ドーム近くのホテルである。秋葉市長は要請文で、「表現の自由の視点からは何を発言するかは自由」と前置きし、「8月6日は原爆死没者の霊を慰め、世界の恒久平和を祈念するかけがえのない日。多くの広島市民の心情にご配慮を」と求めた。 田母神氏は、政府見解に反し、日本の侵略行為や植民地支配を肯定する論文を発表したとして昨年10月末に航空幕僚長を更迭された。今年2月に広島県呉市で開かれた講演会では「国際社会で発言権を増すために有用」と核兵器保有に肯定的な見解を示している。日本会議広島の関係者