体を張って戦車を止める「反ムバラク派」の民衆。前方にも人々がいる。(7日、タハリール広場。写真:筆者撮影) 午前8時、タハリール広場。指笛の音がけたたましく鳴ると、人々は脱兎のごとく駆け出した。筆者も同じ方向に走った。広場の北西角に置かれた軍の戦車がエンジンをかけたのだった。 「広場の中に入って来ようとしている」。一緒に駆ける青年が言った。昨夜、軍が威嚇発砲したこともあり、集会参加者は軍の動向に神経を尖らしているのだ。 広場の中に置かれたすべての戦車の前には蜂起初日の先月25日から「反ムバラク派」の民衆がはり付いている。ビニールシートを敷き毛布にくるまって夜を明かすのである。 人々は駆けつけるや手拍子と共にシャンテをあげ始めた。「軍と国民はひとつの手の中にある。軍も国民もエジプト人だ・・・」。カーニバルのような活気だが悲壮感も混じる。 戦車のキャタピラーに背中を置いている塗装工の青年に聞い
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