もし、幼い我が子が森や畑で行方不明になったら、親は気が気ではないだろう。 2019年10月、6歳の少年イーサン・ハウスはミネソタ州の自宅裏の森で犬の散歩をしていたところ、行方不明になった。4時間たっても家に戻らず、辺りは寒く、暗くなるばかりだった。 捜査に難航していた郡保安官事務所所が、地域住民に対して協力を求めると、ある一人の男が名乗り出た。 スティーブ・ファインズ(52)は、周辺のことを熟知していた。この一帯はコーン畑や足首まで水位がある沼地に覆われており、とくに夜間は最悪なコンディションだ。 この少年をなんとか見つけ出したい、と思ったファインズはある策を思いつく。夜8時、彼は持っていたドローンを手にすると寒空のなか出かけていった。 彼が持っていたのは、3万ドル(約327万円)もする赤外線カメラを備えた特別なドローンだった。彼の職業は、商業用ドローンの写真家だったのだ。 彼はふだん、こ