2010年02月28日 11:18 カテゴリ児童書ＹＡ系小説いろいろ まはら三桃『カラフルな闇』 Posted by henry_mania No Comments No Trackbacks カラフルな闇 著者：まはら 三桃 販売元：講談社 発売日：2006-04-20 おすすめ度： クチコミを見る ・ チャレンジングなＹＡが好みです。 内容（「BOOK」データベースより） 気まぐれな母親は、赤。私の過去を知るあの人は、紫。不幸をもたらす「闇魔女」にゆれる、女子中学生・志帆の複雑な色模様をうつしとる。第46回講談社児童文学新人賞佳作受賞作。　最近ちょっと読む本に困っています。というか、年度末の慌ただしさと落ち着かなさも手伝ってか、何となく本に集中しづらい気分になっています。今回も、読みたい本が手もとになくって、娘が図書館から借りていた本をするっと手にしました。別に、衰弱への癒しをＹＡに求

2010年02月27日 17:35 カテゴリ新書政治ビジネス系 吉川尚宏『ガラパゴス化する日本』 Posted by henry_mania ガラパゴス化する日本 (講談社現代新書) 著者：吉川 尚宏 販売元：講談社 発売日：2010-02-17 おすすめ度： クチコミを見る ガラパゴスな日本の両義性。 内容（「BOOK」データベースより） 2010年代の最重要キーワードこのまま日本は衰退するのか?さらなるグローバル化、どんどん進む少子高齢化…激変する環境の中、日本が生き残っていくポイントは、ゲールのルールに積極的にかかわること、ハイブリッド化、そして出島化にある。　気がついたら日本は相当まずくなっていたのでした。超高齢化社会を目前としているのに、引退老人たちを支えてくれることが期待される現代の若者たちに職はないは覇気はないはで、さらに、日本の企業そのものに未来すらないと言われた日にゃ、お

2010年02月22日 02:22 カテゴリ 高橋秀実『トラウマの国 ニッポン』 Posted by henry_mania No Comments No Trackbacks トラウマの国ニッポン (新潮文庫) 著者：高橋 秀実 販売元：新潮社 発売日：2009-03-28 おすすめ度： クチコミを見る 取材の対象への迫り方が、何だかユニーク。 内容（「BOOK」データベースより） 「本当の自分」て何?「トラウマセラピー」で懸命に自分のトラウマを探す人、「ユーモア学校」に入学して笑い方を学ぶ人、過激な「セックス本」に狂奔する女性、「田舎暮らし」や「資格」に夢中な人…教育、性、自分探しなど、今私たちの周りにある“問題”の現場を訪ね、平成ニッポンの奇妙な精神性を暴く。“世の常識”を見事に覆すヒデミネ流抱腹絶倒ルポ。　平成22年2月22日の2時22分にアップしてみます。もともと夫婦ニッコリの日

2010年02月18日 05:25 カテゴリオ-大島真寿美児童書ＹＡ系 大島真寿美『空はきんいろ』 Posted by henry_mania No Comments No Trackbacks 空はきんいろ―フレンズ 著者：大島 真寿美 販売元：偕成社 発売日：2004-09 おすすめ度： クチコミを見る 変わり者同士だけど、キャベツ炒めのゴマ油。 内容（「BOOK」データベースより） いつもいつもいっしょにいることだけがともだちじゃない。たとえ、とおくにいたって、あえなくたって、ニシダくんとアリサはへいき。かわりもの同志の冬・春・夏・秋四編の物語。小学上級から。　眼前に起こる出来事とそれらの解釈などに、自然にソシュールがまぎれこんでくるように感じて、なんだかなあ、もううう?!みたいだった昨日はえいっと振り棄てて、今日は、清々しく大島真寿美さんの児童向け『空はきんいろ』でいってみます。ソ

2010年02月17日 06:22 カテゴリ 丸山圭三郎『ソシュールの思想』 Posted by henry_mania No Trackbacks ソシュールの思想 著者：丸山 圭三郎 販売元：岩波書店 発売日：1981-01 おすすめ度： クチコミを見る しみじみ、ソシュール。 ■内容（本書のカバー折込部分より） 近代言語学の父、ソシュール。だが広く流布したその像をこえて、彼の仕事は何処に全体像を結ぶのか。言語機能と人間精神の関係への多様な思索は、人間諸科学の方法論と認識に実体概念から関係概念へというパラダイム変換を促し、構造主義以降現代まで、20世紀後半の思想の共通基盤を造った。本書は「一般言語学講義」原資料に拠って、原初の記号理論と思想の本質を明らかにする。精密な実証的裏付けと、神話やアナグラム研究の初の紹介とは、ソシュール研究の決定版として今後の眺望を拓くことになろう。　ふと、読

2010年02月15日 05:20 カテゴリヒ-姫野カオルコ 姫野カオルコ『ああ正妻』 Posted by henry_mania No Trackbacks ああ正妻 著者：姫野 カオルコ 販売元：集英社 発売日：2007-03 おすすめ度： クチコミを見る 小早川な人たち。 出版社／著者からの内容紹介 「お嬢さま」は「不条理な悪妻」だった！？大手出版社に勤める小早川。妻はミッションスクール卒の「お嬢さま」、娘二人も妻の母校に通い、恵まれた結婚だと人は言う。しかしその驚愕の実態とは！？　「ふつうの結婚」のシュールさを突く快作！　もうここまでくると怪女、いえ、東雪穂もそうなんですが、それよりまずは、姫野カオルコさん。 その小説作法がいろいろな意味で型破りであることはいいのですが、この読後感といったら、なんていうんでしょうか、とにかく疲れます。いわゆるカタルシスのようなものとは正反対の、エン

2010年02月14日 06:20 カテゴリウ-内田樹 内田樹『死と身体−コミュニケーションの磁場』 Posted by henry_mania No Comments No Trackbacks 死と身体―コミュニケーションの磁場 (シリーズケアをひらく) 著者：内田 樹 販売元：医学書院 発売日：2004-09 おすすめ度： クチコミを見る コミュニケーション論が身体論になる、理路。 内容（「MARC」データベースより） 人間は、死んだ者とも語り合うことができる。「ことば」の通じない世界にある「死」と「身体」こそが、人をコミュニケーションへと駆り立てる。なんという腑に落ちる逆説! 教科書には出ていないコミュニケーション論。　いい復習でした。 ｢死と身体」と冠せられてはいますが、副題の「コミュニケーションの磁場」が指し示すように、実際レベルから本質レベルに至るまで、コミュニケーションの成

2010年02月13日 11:25 カテゴリオ-大島真寿美 大島真寿美『三人姉妹』 Posted by henry_mania No Comments 三人姉妹 著者：大島 真寿美 販売元：新潮社 発売日：2009-04 おすすめ度： クチコミを見る 終わったり終わらなかったりして、日常。 内容（「BOOK」データベースより） 大学を出ても就職せず、ミニシアターでバイトしながら仲間と映画作りをしている水絵は三人姉妹の末っ子。長女の亜矢はある日子連れで実家に戻って離婚騒動に、次女の真矢は不倫を脱し、奇病にもまけず転職に成功。水絵は映画合宿がつぶれて、好きな彼とはうまくいかず、夜中のドライブを楽しんだけど、今度は家族の危機が!三姉妹のゆるやかな毎日を瑞々しく描き心温まる長編小説。　いやあ、「大島真寿美さん的」を満喫できた珠玉の一冊でした。「三人姉妹」というタイトルと、ちょっと読んだあらすじから

2010年02月10日 05:05 カテゴリマ-舞城王太郎 舞城王太郎『熊の場所』 Posted by henry_mania No Comments No Trackbacks 熊の場所 著者：舞城 王太郎 販売元：講談社 発売日：2002-10 おすすめ度： クチコミを見る 私にも感じられる、「バット男」的存在。 内容（「BOOK」データベースより） 何が飛び出すか誰にもわからない最強の純文学。圧倒的文圧で疾走する表題作『熊の場所』を含む全3編を収録。　「熊の場所」はよかった、お父さんのインパクトのあるエピソードを頭の中で転がしつづけて自律した生を生きている「僕」の凛々しさに心打たれるとともに、まー君の存在に強く印象づけられる曲々しさに、相手が小学生であることも半ば忘れるように、びびってしまっていた、でも、そんな「熊の場所」も実際とてもよかったんだけど、それ以上に何かちょっとヴィヴィッ

2010年02月09日 05:35 カテゴリサ-酒井順子国語教育系 酒井順子『枕草子REMIX』 Posted by henry_mania No Trackbacks 枕草子REMIX (新潮文庫) 著者：酒井 順子 販売元：新潮社 発売日：2007-01 おすすめ度： クチコミを見る 千年後の清少納言としての、酒井さん。 内容（「BOOK」データベースより） あなたとは絶対に気が合う!千歳年上なのに同じ時代の親友のよう―。酒井順子が絶賛するお相手とはかの「清少納言」。大人になって読み返した『枕草子』は心から共感できることばかり。男・友達・恋・ブス・おしゃれ・老いetc.いつの世も変わらず女が気にするこんなトピックを、清少納言はどう見ていたか。平成の女言葉に大胆に変換した訳文も楽しい。清少納言にちなむ京都ガイド付。　お誕生日がちょうど千年違い！というのは、確かに、随筆家として生きていらっ

2010年02月08日 05:20 カテゴリヒ-姫野カオルコ 姫野カオルコ『整形美女』 Posted by henry_mania No Trackbacks 整形美女 (新潮文庫) 著者：姫野 カオルコ 販売元：新潮社 発売日：2002-09 おすすめ度： クチコミを見る 世の中の構造を抉り出す神話、のようなもの。 内容（「BOOK」データベースより） 20歳の繭村甲斐子は、名医・大曾根に全身の整形手術を懇願した。「なぜ?」その美しい肢体を前に戸惑う大曾根。自らの「計画」を語る甲斐子。一方、元同級生、望月阿倍子は甲斐子の写真を手にオペ室に向かう…。幸せを夢見て、新しい容姿を選んだ二人。手術後に辿るそれぞれの意外な生き方を軸に、変身願望の虚構を描く。独特の哲学を、ユーモアと格調とをもって提示した衝撃の問題作。　十年以上も前に書かれたものです。当たり前すぎることですが、本って、読んでいないと

2010年02月06日 05:25 カテゴリオ-大澤真幸政治ビジネス系 大澤真幸『逆接の民主主義』 Posted by henry_mania No Trackbacks 逆接の民主主義 ――格闘する思想 (角川oneテーマ21) 著者：大澤 真幸 販売元：角川グループパブリッシング 発売日：2008-04-10 おすすめ度： クチコミを見る 新しい民主主義への渇望。 内容（「BOOK」データベースより） グローバル化は地獄への道だ。なぜ私たちは受け入れるのか?いま必要なのは、力もない、地位もない、排除された人を社会の代表とみなし、日本の民主主義をつくり直すことだ。いまこそ、先の見えない時代を打ち破る“ユートピア”を!そう、未来を決して諦めず、“理想”を取り戻す時である。 　大澤真幸さんの本は買って読み始めてうまく読み進まずそのままになっているものが　数冊あるのですが、これも、その中の一冊

2010年02月05日 06:39 カテゴリオ-大島真寿美児童書ＹＡ系 大島真寿美『ぼくらのバス』 Posted by henry_mania No Comments No Trackbacks ぼくらのバス (ピュアフル文庫) 著者：大島 真寿美 販売元：ジャイブ 発売日：2007-05 クチコミを見る 大人をギクリとさせるくらいじゃなきゃ。 内容（「BOOK」データベースより） 暇を持て余していた、小学五年生の加納圭太は、弟の広太を誘い昔通った「バスの図書館」へ行ってみる。管理人のおじいさんが亡くなって以来使われずにいた「バスの図書館」は、かつての面影を失い荒れ果てていた。こっそりとバスに忍びこみ「秘密基地」にした二人だったが、ある日、家出少年の富士田順平が押しかけてきて…。少年たちの成長が瑞々しく描かれた、ひと夏の青春ストーリー。　もうすっかり大島さんのファンになってしまっているから

2010年02月03日 05:05 カテゴリ新書政治ビジネス系 岸博幸『ネット帝国主義と日本の敗北―搾取されるカネと文化』 Posted by henry_mania No Trackbacks ネット帝国主義と日本の敗北―搾取されるカネと文化 (幻冬舎新書) 著者：岸 博幸 販売元：幻冬舎 発売日：2010-01-30 クチコミを見る 目には目を、イノベーションにはイノベーションを。 内容（「BOOK」データベースより） 今ネットの世界では、グーグル、アマゾンなどに代表される米国ネット企業だけが莫大な収益を上げ、一人勝ちしている。これらの企業は、オバマ政権の後押しも受け、その帝国主義的拡大をさらに押し進めている。一例であるグーグル・ブック検索の問題では、ヨーロッパ各国政府がグーグルの提示した和解案に反対の姿勢を明確に示し、国家の威信をかけた抵抗が始まった。このままでは、いつまでも毅然とし

2010年02月02日 05:05 カテゴリサ-酒井順子 酒井順子『自意識過剰』 Posted by henry_mania No Comments No Trackbacks 自意識過剰! (集英社文庫) 著者：酒井 順子 販売元：集英社 発売日：2008-09 おすすめ度： クチコミを見る 自意識過剰の輪の中に入る、安心感。 内容（「BOOK」データベースより） この人に私はどう思われているのだろう?小学生の頃から自意識が強く、相手の視線を意識するあまり、話すより書くことを選ぶようになったという酒井さん。お葬式では美しく悲しみたいと願い、女友達の輪の中ではつい自分に順位をつけてしまう。日々繰り返される他人の視線との葛藤は、アホらしくもあり深刻でもあり…。日本人の自意識の正体に鋭く迫る、痛快エッセイ。　読み始めたあたりから、あれっ？ という感じが出てきました。 なんだろう？ 何に対する戸

2010年01月29日 05:25 カテゴリサ-酒井順子 酒井順子『先達の御意見』 Posted by henry_mania No Comments No Trackbacks 先達の御意見 (文春文庫) 著者：酒井 順子 販売元：文藝春秋 発売日：2007-04 おすすめ度： クチコミを見る 生きる意味をめぐる葛藤とか解放とか。 内容（「BOOK」データベースより） 「嫁がず、産まず、この齢に。」のコピーで刊行された『負け犬の遠吠え』をめぐり、著者・酒井順子が名立たる人生の先達の方々と行った“負け犬他流試合十番勝負”。阿川佐和子、内田春菊、小倉千加子、鹿島茂、上坂冬子、瀬戸内寂聴、田辺聖子、林真理子、坂東眞砂子、香山リカ諸氏の叱責・提案・苦言・激励をお楽しみ下さいませ。　また酒井さん読んでいます。今度は対談ものだからいいでしょう・・・って、いったい誰に許しを請うているんだいっ。（手もと

2010年01月25日 05:25 カテゴリサ-酒井順子食系 酒井順子『箸の上げ下ろし』 Posted by henry_mania 箸の上げ下ろし (新潮文庫) 著者：酒井 順子 販売元：新潮社 発売日：2007-08 おすすめ度： クチコミを見る 食の世界への視線も実に酒井さん的。 内容（「BOOK」データベースより） 食べる。―あまりにも日常的なこの出来事に、クールな観察者・サカイが斬り込む。曰く、男が作るカレーとは、絶対にケチをつけてはいけない料理である。究極のダイエットとは、太ったことに気づかぬこと。嗜好の変化は、食べ物でも人でも、ずっと同じ対象を好きではいられぬ無常を実感させる、等々。「食」を通して、人間の思いがけない本音と習性をあぶり出す軽妙エッセイ。　酒井さんのエッセーをまとめて10冊買ってきました。 ですが、ふと思ったのは、酒井さんの本も、まだまだ読んでいない本がたくさん

2010年01月24日 07:06 カテゴリマ-舞城王太郎 舞城王太郎『ビッチマグネット』 Posted by henry_mania No Comments ビッチマグネット 著者：舞城王太郎 販売元：新潮社 発売日：2009-11-27 おすすめ度： クチコミを見る 読み方を試す舞城王太郎の隠微な愉悦、との相克、とか。 内容（「BOOK」データベースより） なんだか妙に仲のいい、香緒里と友徳姉弟。浮気のあげく家出してしまった父・和志とその愛人・花さん。そして、友徳のガールフレンド=ビッチビッチな三輪あかりちゃん登場。成長小説であり、家族をめぐるストーリーであり、物語をめぐる物語であり…。ネオ青春×家族小説。　ああ、純文学だなあ。 もう少し厳密に言えば、ああ、現代の純文学だなあ、かな。 読後に「読書メーター」に"読みました"と報告した後に、みなさんのコメントをざあっと拾い読みしていたら、

2010年01月20日 05:25 カテゴリワ-鷲田清一 鷲田清一『「弱さ」のちから―ホスピタブルな光景』 Posted by henry_mania No Comments No Trackbacks 「弱さ」のちから―ホスピタブルな光景 著者：鷲田 清一 販売元：講談社 発売日：2001-09 おすすめ度： クチコミを見る ここに私はいますという、〈わたし〉の存在意義。 出版社/著者からの内容紹介 「そこに居てくれること」で救われるのは誰か？　ケアする関係の本質に迫る臨床哲学の試み。支え支えられる関係の哲学。それらの《ホスピタブルな光景》にはしかし、いつも、どんな場面でも、ある反転が起こっていた。存在の繕いを、あるいは支えを必要としているひとに傍らからかかわるその行為のなかで、ケアにあたるひとがケアを必要としているひとに逆にときにより深くケアされ返すという反転が。より強いとされる者がよ

2010年01月19日 05:20 カテゴリウ-内田樹ヒ-平川克美 内田樹・平川克美『東京ファイティングキッズ・リターン』 Posted by henry_mania No Comments No Trackbacks 東京ファイティングキッズ・リターン―悪い兄たちが帰ってきた (文春文庫) 著者：内田 樹 販売元：文藝春秋 発売日：2010-01-08 おすすめ度： クチコミを見る そうだっ、私もこんなおじさんが欲しかったんだ・序説 内容（「BOOK」データベースより） 「若いやつらにばあんと説教」。そんな依頼に応えた論壇の二人の悪い兄たちは、実は小学生時代からの盟友だった。往復メールでファイトするのは、「自由という神話、成長という物神」「詩と反復」「キャリアという自己商品化」「ブリコラージュ的知性について」etc.。野暮はよしなよ、と世間に気を吐く巻末対談も併録。　『街場のアメリカ論』