岸田文雄首相は1日まで4日間実施された衆参両院の予算委員会を無難な答弁で乗り切った。ただ、9月の内閣改造で初入閣した閣僚たちは不慣れな答弁をすることもあり、今後の国会審議に不安を残した。一問一答形式で首相らに質問でき、国会審議の「花形」といわれる予算委は、12月13日の会期末までに少なくとも2回は開かれる予定で、首相にとっては気の抜けない日が続く。 「物価高で苦しんでいるこの時期に、まずは所得税減税と、また給付等も用意して、国民の可処分所得をしっかり支えていく」。首相は1日の参院予算委で、自民党の太田房江氏に対し、よどみなく答弁した。 1日までの予算委では与野党が、経済対策の目玉となる所得税・住民税減税や低所得世帯への給付について繰り返し質問した。首相は質問内容に応じて多少は答え方を変えたものの、骨格部分は過去の記者会見などで語った内容とほぼ同じ。安全運転だったと言え、野党側は攻めあぐねた