感染症疫学専門家らによると、人が初めて感染症にかかったのは、人類が野生動物を家畜化した約1万年前のこと。野生動物が持っていたウイルスが人類に遭遇すると、進化して人間社会に広まった。天然痘は牛、百日咳はブタ、麻疹は犬、インフルエンザはアヒルやカモ、風邪は馬が起源だという。 1975年を前後に、何が変わったのか 20世紀になるとワクチンの開発などにより、感染症による死亡数が世界的に激減。天然痘が撲滅すると、「感染症はもはや人類の脅威ではない」と世界保健機構(WHO)や各国政府は豪語した。 ところが、1975年頃を境に感染症の死亡数は年々増加。1976年にはエボラ出血熱、1981年にエイズ(後天性免疫不全症候群)、1997年に鳥インフルエンザ、2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)、2012年にMERS(中東呼吸器症候群)が出現。これら30以上の感染症が新たに世界規模で猛威を振るうようにな