日本の教育が危機に面していると言われて久しい。最近では、経済協力開発機構(OECD)が発表した2008年の加盟国の国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出の割合は、2005年、2007年に続いて日本は31カ国中で最低である。しかも、公的教育機関の不足を補うべく、教育支出に占める私費負担の割合は33.6%で、チリ、韓国、英国に続いて4番目に高い水準だという。 国の教育費の支出があまりにも低いという問題は、現場で危機的な症状として表れている。文部科学省の調査で分かった事は、2009年度中にうつ病などの精神疾患で休職した全国の教員は5458人と過去最高を更新し、04年度の1.5倍であった。新聞報道によると、都道府県別の教職員の休職者の率は、1位が沖縄県で1.14%、2位が大阪府の0.94%、3位が東京の0.90%となっている。 教師が置かれた現状 東京都では、2007年度に精神疾患で41