ブレイディみかこさんの待望の新刊『女たちのポリティクス』が発売になりました。アメリカ初の女性副大統領になったカマラ・ハリスや、コロナ禍で指導力を発揮するメルケル(ドイツ)、アーダーン(ニュージーランド)、蔡英文(台湾)といった各国女性首脳。そして東京都知事の小池百合子。政治という究極の「男社会」で、彼女たちはどう闘い、上り詰めていったのか。その政治手腕を激動の世界情勢と共にブレイディさんが鋭く解き明かします。今回は、EUに長らく君臨してきたドイツのメルケル首相について。彼女がどんな思いで緊縮財政を推し続けてきたのか、その根源的な理由が分かります。 震源地は漬物石 揺れる欧州の中心に坐する漬物石。 そんな印象のドイツのメルケル首相が、長年率いてきたCDU(キリスト教民主同盟)の党首選に出馬しなかった。事実上、2021年の任期満了をもって首相の座を退くことになったのだ。もちろん、その前に総選挙