生活保護を利用している埼玉県狭山市に在住するAさんは、コロナに感染するも無事に回復し、病院と保健所から「もう大丈夫」とお墨付きをもらったが、狭山市福祉事務所だけはそれを許さなかった。感染から1か月以上が経過した保護費の支給日に、Aさんのもとに入った1本の電話から始まった“差別”とも言える狭山市の対応。残された音声データをもとに、Aさん、埼玉県庁福祉部生活福祉課担当者、狭山市福祉課課長に取材をした、生活困窮者の支援活動を行う『つくろい東京ファンド』の小林美穂子氏によるレポート。 Aさん(40代)は、去年の10月にそれまで働いていた仕事を解雇された。寮暮らしだったので、仕事と同時に家も失い、やがて所持金も尽きたことから、生活困窮者支援団体であるNPO法人サマリア(以下サマリア)のシェルターに身を寄せ、狭山市で生活保護を利用していた。 退職に至るまでのハラスメントやトラブルにより、体調も悪く、眠
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