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ブックマーク / albinstig.hatenablog.com (8)

  • アップリンク吉祥寺 『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』 - albinstigの日記

    平日の午後、小さい映画館だが結構お客が入っており、後半になるにつれ観客のすすり上げる声が大きく響く。 いい映画(はなし)なのだ。 ある日、ハロルド(ジム・ブロードベント)は、一通の手紙を受け取る。昔の同僚クイーニー(リンダ・バセット)からの、余命いくばくもないというさよならの手紙だった。ポストへ返事を出しに行く道すがら、店の娘におばさんのがんをまごころでいやしたと聞いたハロルドは、不意に、自分もクイーニーの病気を、歩くことで勇気づけようと思い立ち、そのままふらりと800キロを踏破し始める。 カーテンの隙間から往来を眺めていた男が、皮の古ぼけたデッキシューズの足で世界を感じる。高速で車が行きかう。激しく雨が降る。真水を手で受けて飲む。一方家では、うまくいってないモーリーン(ペネロープ・ウィルトン)が心配していた。んーと、「善」と染め抜かれた大きな風呂敷で、この話は包み込める。人生の肯定。

    アップリンク吉祥寺 『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』 - albinstigの日記
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    kiku72 2024/06/26
  • 恵比寿ガーデンプレイス ザ・ガーデンホール&ルーム 『2023 PETER BARAKAN'S LIVE MAGIC』 - albinstigの日記

    黒いひだの寄った、背後の黒い幕に、紫と青の明かりが交互に当てられている。その上にはLIVE MAGICと書いた大きなパネル。 バラカンさんが登場して、4年ぶりにフルサイズの開催ですという。合間の時間に余裕を作り、パフォーマンスも長めだって。四階にはマッサージチェアがあり、物販は2つだけ。ふむふむと聞いているうちに、バラカンさんはビールを受け取ってすばやくステージから消えた。 一つ目のバンドはロマンティック・ババルーという、アフロキューバンミュージックをやっている日のバンドだ。 ダーリンSAEKOさんという人がリーダーで(日不在)「新世紀ダンスホールミュージックバンド」をめざしているそうだ。アフロキューバンミュージックの中の宗教儀式音楽がベースになっているらしい。 七人くらいの人がどやどやと舞台に散らばり、ナイジェリアからキューバへ渡ってきたバタドラム――片方の端が広く、片方が狭くなった

    恵比寿ガーデンプレイス ザ・ガーデンホール&ルーム 『2023 PETER BARAKAN'S LIVE MAGIC』 - albinstigの日記
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    kiku72 2023/10/24
  • Billboard Live YOKOHAMA 『ニック・ロウ』 - albinstigの日記

    ビルボード横浜、来るのは初めて、勝手がわからない。会場内に案内されても、どこが正面か見当がつかず、右見たり左向いたり、やっと正面の赤い緞帳(かっこよく襞に当てられた照明)の前に置かれたマイクと一のギターの背面を見つけて、(こっちが正面か!)と近さにびっくりしている。ステージのギターのネックの後ろは、親指で支える側の端なのか、他よりも一段と擦れて白くなっている。5分前に若いスタッフが、ギターの調子を整えた。時間になり、ニック・ロウがとても足早に客席脇を抜けてステージに向かう。グリーンの柄のシャツ、黒っぽく見えるパンツに、縁の太い眼鏡をかけている。繊細な感じで歌い始める。弦を引き下げる長い右親指の腹は反り、フレットを押さえる4の左指は平行に、やや斜めにそろい、さっき見た、擦れて白くなった側から、ギターを握りこむ左親指がのぞく。ギターを弾きこなす指先がみんな、大切にされている観葉植物が風に揺

    Billboard Live YOKOHAMA 『ニック・ロウ』 - albinstigの日記
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    kiku72 2023/10/10
    “来年ロスストレイトジャケッツとくるといってたが、そしたら絶対行く。”
  • シアタートラム イキウメ『人魂を届けに』 - albinstigの日記

    「人魂」みたいな芝居よねー。深山幽谷、どこだか知れない森の奥に、山鳥さん(篠井英介)は棲んでいる。「おかあさん」と呼ばれる彼女の家の中には、男たちが、点々と胎児のように眠りながら「落ちている」。そこへ、死刑を与えられて死んだはずの男の「魂」を携えて、刑務官八雲(安井順平)が、杖を突き、なぜかはだしで訪ねてくるのだ。あのー、山鳥さんの家が実は「魂の奥処」であり、山鳥さんこそグレートマザーである、とユングっぽくつるつる読み解いたってなんもならん。そんなのただ人魂の片端を触ったに過ぎない。作家はおとこたちがここで癒され、虜となって留め置かれ、出ていけたものは反社会的行為をする、という分かりにくさを賦与しているけど、それもそんなにびっくりしない。イキウメの芝居は、いっつもわけが「わかりすぎる」のに、ここでは「わからないこと」が刻々と進行している、山鳥さんたちの動向を探る公安(盛隆二)とか、どういう

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    kiku72 2023/05/17
  • 恵比寿ガーデンホール 『Peter barakan's Live Magic』 - albinstigの日記

    開場まで15分押し、だけど久しぶりのライヴで、そんなこと全然気にならない。スタンディングの人と、指定席の人で入り口が違う。スタンディングはいつものように番号を呼ばれるのを待ち、指定席は三々五々入場してゆく。二階のフードマジックは、茶色の紙袋に一つ一つ入れられた、なんかかっこいいサンドイッチが山積みになっている。私はレモンケーキという星形の、砂糖のアイシングのかかったお菓子を一つ買う。喫煙所になってるベランダに出たけど、もうタバコ吸う人もいない。皆お酒を飲んだり、サンドイッチを椅子に座ってべたりしている。広場のいっちばん遠くの方で、赤ちゃんが、ベビーカーが大揺れする程泣いているのが見えた。 ステージ前のスタンディングエリアに移動。バラカンさんが、「3年ぶりのライヴ、いろいろありました」という。ほんとにねー。3年前までマスクの裏表もわからなかったのにねー。Tシャツの紹介、小坂忠さんが紙コップ

    恵比寿ガーデンホール 『Peter barakan's Live Magic』 - albinstigの日記
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    kiku72 2022/10/26
  • 武道館 『NORAH JONES JAPAN TOUR 2022』10月14日 - albinstigの日記

    「ノラ・ジョーンズのコンサートに行かないか?」と言われたら、いけすかない奴の誘いでもつい、うんと言っちゃう、という映画が昔ありました。と、突然思い出し、二つ返事でついてきた家族の顔を見て、こっそり笑ってしまう。さそう方も満を持してさそうよなー。だって、ノラ・ジョーンズだよー。 一週間前のメールで、18時30分からオープニングアクトのロドリゴ・アマランテ、19時30分からノラ・ジョーンズです。とアナウンスされていたけどもさ、みんなノラ・ジョーンズ聴きに来ているから「えー?」て感じだ。えー?40分のオープニングアクト、15分の休憩、そして、ノラ・ジョーンズ。どういうことだったのか。 ロドリゴ・アマランテはブラジルの歌手で、ということはポルトガル語で(?)しっとり優しく歌う。日語できちんと3フレーズもあいさつし、小さめの、白瓜みたいなギター(フラメンコギター?)を抱えている。1曲目の歌いだしの

    武道館 『NORAH JONES JAPAN TOUR 2022』10月14日 - albinstigの日記
    kiku72
    kiku72 2022/10/16
  • 映画 『リスペクト』 - albinstigの日記

    ジェニファー・ハドソンといえば、『ドリームガールズ』(2006)の、不満が多くてわがままな、ドリームズ(シュープリームスをモデルにしたと考えられる三人組の歌手)の一員だ。「わがまま」で「総すかん」の目に遭うにもかかわらず、公開後十数年たってぼんやり思い出す『ドリームガールズ』のハドソンは、(あー、あの人、誰よりも「いい者」だったなあ)って感じなのである。「歌上手い」は正義になっちゃうのだ、説得力で。アレサ(アリーサ)・フランクリンがJ・ハドソンに自分の役を演じてほしいと指名したことや、アレサの葬式で、あの「アメイジング・グレイス」を歌っていることからも、ハドソンの実力と彼女への期待が読み取れる。 この映画が優れているのは、評伝に出てくるアレサが、子どもの頃のトラウマを絶対に認めなかったという伝記作家にとってはがっかりな事実の周りをそっと埋めており、その埋め方にたいへんリスペクトがあるという

    映画 『リスペクト』 - albinstigの日記
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    kiku72 2021/11/27
  • 恵比寿ガーデンホール 『Live Magic』 2019 - albinstigの日記

    kiku72
    kiku72 2019/10/24
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