来月発行予定の『MUSIC + GHOST』には、The Incredible String Bandによって分かれた二つの英国的ノスタルジアについて記述している。一つは将来のネオフォーク運動の呼び水となったCurrent 93のフォーク・ミュージック転向。もう一つがBoards of Canadaである。文章が長くなったせいで、当初の予定よりもチャプターを一つ増やすことにした。 今回は当該の文章を部分的に掲載する。バンドやレーベルがカタカナ表記になっているなど、過去の文章とのバラつきがあるのはご了承ください。 ジ・インクレディブル・ストリング・バンド(ISB)は、80年代中期からの密かな英国フォーク・リバイバルにおいて分岐点的な役割を果たしている。バンドにとっても(そして世間にとっても)サイケデリック全盛期に作られた『5000 Spirits or the Layers of the O