<ワールドスタンダードで歌うことの機が熟した> ―― 『色彩音楽』は初めての歌ものになりましたが、そのつもりで制作をスタートしたのでしょうか。 「アルバムを作り始めた時は、どうなるかわからなかったんです。ただ、細野(晴臣)さんの『泰安洋行』にならって、タイトル曲はインストにしようとは思っていて。それでまず、武田吉晴君と〈色彩音楽〉という曲を作ってみたんです。彼の『ASPIRATION』というアルバムが素晴らしくて、何か一緒にやりたいと思っていたんですよね。アルバムにアジアン・テイストの曲を入れたかったので、インドネシアのスンダ地方の音楽を意識したんだけど、出来た曲をすごく気に入って、後は歌ものにしよう!と決めました。だから武田くんとの出会いは大きいですね」 ―― もともと、惣一朗さんはシンガー・ソングライターの作品が好きで、曲にはパーソナルな雰囲気がありましたが、これまでワールドスタンダー