【説法(1)】 ホモサピエンス史の著者ハリルはなかなかの毒舌家で、 研究熱心で正確だけど面白みのない筆致の学者の本よりも、 読んでておもしろいので、つい手が伸びます。 たとえばこんな感じ。 「でっちあげの話を1000人が一ヶ月信じたら、それはフェイクニュース。 その話を10億人の人が1000年間信じたらそれは宗教で、 信者の感情を害さないためにそれはフェイスニュースと呼ばないよう諭される」 同じ事を言っていても、 いやむしろ正確なデータをそろえて論理的に展開する骨太の本よりも内容的には薄くとも、 譬喩が豊富で、具体例も興味深く、風刺の効いたやわらかい文章なので、 大衆に受け、本が売れ、結果的にその道の権威として認知されています。 この事実はまじめな学者たちにはそうとう不愉快な出来事かもしれませんが、 いつの世でも、どの分野でもこういうことがあって、 それはやはり人々に分かるよう伝えることに
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