若干、意見が凝集されがちなメンバーが集まっている印象を受けるが、太平洋戦争の屈辱を忘れることなく、次なる世代に活かしていこうと思っている読者であれば、必読の書である。以下、要点を抜粋; ・対米戦争の目的:主観としては、アメリカによって脅かされた自国の独立を守るため。満州国を整備することが、昭和不況の克服へとつながり、日中の経済圏を作るためには英米を討たなければならない。開戦当初の勝利イメージは、ヨーロッパにおいてドイツがイギリスを屈服させ、独ソ戦においてソ連が早期に崩壊する、そうすればアメリカは戦争を継続する意思を徐々になくす、もしくは主力をヨーロッパに送るだろうというもの。多分にドイツ依存であった。実際は、こうした予想をはるかに超える生産力・軍事力をアメリカは有していた。 ・日独同盟:ドイツに敗北した西欧諸国が持っていた植民地の権利を、ドイツが放棄する声明を発表したことが、日本をドイツに