物価低迷の最大の要因として挙げられる賃金の鈍い伸び。その隠れた要因として、医療保険や年金保険など、増え続ける社会保険料の存在を挙げる声が増えている。 日本総合研究所の湯元健治副理事長は「急速な労働コストの上昇は企業にとってますます大きな懸念材料となっている」と指摘。「企業が長期の成長見通しを持てない中で、高齢化によって経営コストは増え続けるだろう」としている。 4-6月の実質国内総生産(GDP、改定値)は年率2.5%増と6期連続でプラス成長を維持しており、マクロ経済は好転している。完全失業率も94年以来の2%台で推移するなど労働需給もひっ迫しているが、賃金は上昇していない。7月の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は0.5%上昇と7カ月連続で上昇したものの、生鮮食品とエネルギーを除くと0.1%上昇と低迷が続いている。 日本銀行は7月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、2%達成時