今回の動かないコンピュータ・フォーラムは予定を変更して,少し時事的なテーマを追いたいと思う。取り上げるのは,東京証券取引所をはじめとする,全国の証券取引所におけるトラブルである。 今年は証券取引所のシステム・トラブルに揺れた1年だった。12月には,みずほ証券が61万株という大量の株式を誤発注し巨額の損失が発生するという事件が起きたが,注文の取り消し指示を受け付けられないという,東証のシステムの不具合が,これに関係していたことが分かった(関連記事)。同じく東証では,11月に大規模なシステム障害が起きたことも記憶に新しい。 このほか,大阪証券取引所やジャスダック証券取引所,名古屋証券取引所がシステムに関連する問題に直面した。日経コンピュータでも,大証とジャスダックについては本誌の動かないコンピュータで取り上げた。東証の大規模システム障害についても,11月14日号と11月28日号の2号にわたって