この読後感には参った。 超高速のジェットコースターに乗った後のような、地に足がつかない、おぼつかない感覚がまだ残っている。まだ現実に帰ってきてないんじゃないだろうか。そんな馬鹿げた不安を感じるほど、「眩暈」をおぼえるような極上のSFだった。 この本を読んでしばらくは、現実感が希薄になってしまって、このままでは現実には帰ってこれないかな、という気がして、ネットを見るのもやめて、他の小説や漫画なんかをぱらぱら読みながら、少しずつ心を現実に慣らしていった。 それほど高純度で高速なSFだった。 不意打ちを食らったのも事実。うえお久光の新作という点で、多少の警戒の気持ちはあった。しかしこの表紙、あの挿絵、あの紹介文で、この展開は無いだろう。いや、「何かある」という評判は知っていたのだけれども。 うえお久光のラノベ「紫色のクオリア」が大絶賛の嵐 ライトノベル読みの間では、すでに大絶賛が巻き起こっている