山本という名の青年はゆきずりの日本人とケンカし、傷を負ってさまよっている時に川へ身投げした少女を助ける。少女は方順紅という名の在日コリアンであり、高い民族意識を持っていた。それとは対照的に山本は李史礼という名前を持つ在日コリアンでありながら、それをひた隠しにして生きていた。史礼は順紅にも素性を隠していたが、意を決して彼女に「俺は李史礼だ!朝鮮人だ!」と告白する。その後、反朴政権運動の活動家で行方不明となった順紅の父親を探すうちに史礼は偽りの日本人であることよりも韓国人であることの誇りに目覚めていく。そして、日本に来た反朴ジャーナリストとの出会いと別れがきっかけとなり、KCIAさらには朴政権に対する史礼の怒りは頂点に達する。 日活で神代辰巳、藤田敏八、曽根中生などの助監督を務めた韓国籍の李學仁(イ・ハギン)による監督デビュー作。主役のジョニー大倉は自身の韓国名、朴雲煥(パク・ウナン)を名乗り