劇画「子連れ狼」が一世を風靡したのは40年以上前。原作者の小池一夫氏(80)にとっては、今に至る大御所の地位を築き上げる契機となった大作なのだが、その「劇画界のドン」が、あろうことか“寸借戦法”で窮地に立たされているのだ。 *** 小池氏は1970年から「漫画アクション」誌上で「子連れ狼」を連載。その間、72年には漫画プロダクション「小池書院」を立ち上げ、人気漫画家を抱えて多くの作品を世に送り出してきた。が、さる関係者によれば、 「長引く出版不況で資金繰りが悪化し、昨年2月の雑誌発行を最後に実質上、営業停止状態にあります。破産手続きに入るべく、すでに昨年11月には、債権者に宛てて債務を調査する文書を送付しています」 そうした危機から脱するかのように、小池氏は6年前に社長を辞任。現在の中澤正和社長に聞くと、 「小池先生は数年前に自社株を手放しており、すでに経営にはタッチしていません