【シンガポール=都留悦史】インドネシアの野焼きによる煙が国境を越えて広がり、隣国シンガポールで20日、大気の汚染度を測る指数が2日連続で過去最悪を更新した。リー・シェンロン首相は同日の緊急会見で、インドネシアのユドヨノ大統領に書簡を送り、深刻な懸念と支援を申し出たことを明らかにした。 【写真】シンガポールのオフィス街はマスクを着けて外出する人の姿が目立った=20日、都留悦史撮影 汚染指数は19日、過去最悪だった1997年の記録を16年ぶりに上回った。20日朝に数値は一時下がったものの、午後に再び上昇し、健康を害して危険とされる前日の数値を超えた。 シンガポールでは先週半ばごろから、市街全体で焦げたような臭いが立ちこめた。同国政府によると、煙は主に、インドネシア・スマトラ島中央部から季節風にのって流れ込んでいる。数千平方キロにわたって広がり、マレー半島を越えて南シナ海まで及んでいるという