服部 素之: 復旦大学生命科学学院 教授 略歴 愛知県出身。2009年東京工業大学博士課程修了後、米国オレゴン健康科学大学、東京大学を経て、2015年より現職。イオンチャネルを中心とした構造生物学に取り組んでいる。 私は上海への異動前まで、東京大学理学系研究科の濡木理教授のもとで特任助教をしていました。大学院時代の恩師でもある濡木教授の研究室は非常に恵まれた研究環境にありましたが、ア メリカでポスドクを経験して以来、当時のポスドク同僚たちが自分の研究室を立ち上げていくのをみるにつれ、私も同様にPI(研究室主宰者)として研究をすすめたいとも考えるようになりました。その一方、日 本では30歳前後の若手研究者がPIとして研究室を運営する機会が極めて乏しいこと、また上海出身の私の妻が中国へ帰国を希望していたこともあり、上海近郊を中心にPIポジションにいくつかアプライし、最 終的に復旦大学からのオフ