2017年9月14日のブックマーク (1件)

  • 小説「きっかけ」③ - Blue あなたとわたしの本

    ──ダムに空いた穴からは大量の水が噴き出している。低速度で弧を描き、途中からは怖いほどの速さで真っ白く落ちていく。その轟音を聞きながら長い石段をのぼる。陽射しが首の後ろをじりじりと焼く。最後の石段をのぼりきると、深林に挟まれた奥行きの深い場所に出る。川上からの流れはゆるやかになり、扇のかたちの浅い池となってあたりに広がっている。水が複雑な動きをつづけているのが水面の模様でわかる。池のわきには、地面から1メートルほどの高さに木製の遊歩道が組んである。横幅はそれほどない。人と人がやっとすれ違えるくらい。行き止まりにある石積みダムまで曲がりくねりながら延びている。屋根のないあずまやとでも言うべきものが、中ほどにひとつ、奥にひとつある。木のテーブルと木のベンチが配されている。手つかずの陽光が明るい秘密のように射している。類似した場所をちょっと思い浮かべられないほど──それでいて記憶のなかにある懐か

    小説「きっかけ」③ - Blue あなたとわたしの本
    kinoeri
    kinoeri 2017/09/14
    私も、幽霊というのは、普通の人間と見分けがつかないだろうと思います。