いま日本はどんな国なのか、私たちはどんな時代を生きているのか。 日本という国や日本人の謎や難題に迫る新書『日本の死角』が発売即5刷となり、普段本を読まない人も手に取り始めている。 意外と知らない日本の論点とは? 「個性的」とは否定の言葉? 「個性的と言われると、自分を否定された気がする」「周囲と違うってことでしょ?どう考えてもマイナスの言葉」「差別的に受け取られるかも」……。 どうやらいまの若者たちは「個性的」だと思われたくないらしい。 〈思いをストレートに口に出すと、周囲から自分だけが浮いてしまう。みんなと同じでなければ安心できず、たとえプラスの方向であったとしても自分だけが目立つことは避けたい。近年はそんな心性が広がっているように見受けられる。 (中略) 「個性的であること」は、組織からの解放を求めるには好都合だが、組織への包摂を求めるには不都合である。自分の安定した居場所が揺らぎかね