汚物を素手で清掃=カースト呪縛、130万世帯−禁止法にも抜け道・インド インドの首都ニューデリー近郊の村で、清掃作業で回収した汚物を頭上に載せて歩く女性=本文とは関係ありません、2012年8月撮影(AFP=時事) ラジュ・ラジョリアさん(45)は「私の手は汚れている」とつぶやいた。インド古来の身分制度カースト制の底辺「不可触民」出身で、父も祖父も代々、くみ取り式トイレや下水管を素手で清掃する仕事が生業だった。1日の稼ぎは200ルピー(約320円)程度。ヒンズー教の神々の像に手を触れることすら許されず、貧困と差別にまみれて生きてきた。 カースト制のどの階級からもはじき出された不可触民はインドの全人口12億人のうち約2億人とされる。身分差別廃止を定めた憲法施行から64年が過ぎた今も、その大半が過去の呪縛に縛られている。 ◇「地獄」の悪臭 「この地獄から抜け出したい」。午前7時、首都ニュー