この国の子供たちにどうやって最良の教育をするか、という問題をめぐる論争は、たいがい高度な抽象論の形をとる。なかなか建設的な対話にはならない。それは教育の場における主要な存在すべて、つまり労組指導者、チャーター・スクール運営者、篤志家、学校管理職、政治家、教師といった人々に対して根本的な先入観があり、それに基づいて認識や性格づけがなされるからだ。 悲痛にして落胆を招く本、デール・ラサコフ著"The The Prize: Who’s in Charge of America’s Schools"(ホートン・ミフリン・ハーコート出版、2015年)の強みは、一貫して一般論を避け、ひたすら現実を解説したところにある。 ラサコフは教育論争にありがちな作り物の人物像ではなく、欠点はあるが善意に満ちた現実の人間たちを子細に描いた。この本が感動的な啓蒙の書である理由は、著者が事実にこだわったことや、敵味方の
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