アニメーターの現状への道 (その壱)をお読みになった方は、アニメーターが、どんな状況下で仕事をしているか、多少はお解り頂けたと思います。 では、今回は、何故このような状況になったのか、私的な見解ではありますが述べさせて頂きます。 1.「諸悪の根源」手塚治虫?! この見出しを見て、いきなり「なんだ?」と思いになるでしょうか。 実は、こう思っているアニメーターは、結構多くいるようです。 その理由は、「鉄腕アトム」の頃までさかのぼります。 当時、TVアニメを毎週放映するということは、予算面から見ても不可能と思われていました。 しかし、故・手塚治虫氏は、かなりの低予算で「アトム」の製作を引き受けたということです。 そして、予算の不足分をキャラクター商品などで生まれる利益で補い、リミッテド・アニメーションにすることでTVアニメ「鉄腕アトム」を作りました。 (現在の日本
アニメーターの待遇について 1.アニメーターの労働に対する代価 コレに関しては、ご存知の方も多いと思いますが、私の聞き及ぶ限り以下の通りです。 低いほうの値段はTV作品、高いほうがOVA、ゲーム作品です。 原画(レイアウト込) 1カット≧約3,000円〜5,000円 動画 1枚≧約150円〜200円 そして、1ヶ月の仕事量がこのくらいです。 原画 40カット〜60カット 動画 300枚〜500枚 個人差が激しいので正確な数字ではないかもしれませんが、私が「このくらいできれば一人前だ」と思う数を書かせてもらいました。 尚、昔は「動画は1000枚描けて一人前」といわれていたようですが、当時と現在では、1枚の線の量(描き込み)が違うので、簡単に比較はできません。 さて、そうすると一ヶ月の給料が 原画 12万円〜30万円 動画 4万5,000円〜10万円 更に、ここ
アニメーターの福利厚生記事ついでの話です。 京アニ作品は皆さん感じていますように、 クオリティが高いです では、そのクオリティをどうやって出しているのでしょうか? 京アニのスタッフは正社員扱いの方が多い、 というのを前回話しました。 社員なので歩合給ではありません。 いくら枚数を描いても、会社に残っていても給料は変わりません。 固定給です。(もちろん例外もありますが…) そこで、どういう発端かはわかりませんが、 京アニはあえて、スタッフに徹夜をさせない、 遅くとも9時前にスタジオを閉めてしまおう… と、方針としてはっきり決めました。 (個人的に、アニメ業界版ホワイトカラーエグゼンプション?とか思ってしまいました) しかし、そういう状況で、 制作をしようとすると、 一般的なスケジュールや、予算では、 作れません。 そこで、元請け先や配給側に大幅に余裕を持ったスケジュールや、予算を、 主張し続
第3章 アニメの未来 現在、韓国・中国が日本の持っている アニメ・マンガ・ゲームの莫大なシェアと利益を奪い取ろうと 必死になって人材の育成・支援をやっております。 まあ、これだけ莫大な国益をもたらす産業ですからねぇ どこの国だって欲しいでしょうねぇ 数年前、韓国のゲーム会社の人間と話をしたのですが 韓国では、年3兆円を投入して業界を育てているそうです、 メディアの塔 (当時、名前がなかったのでそう呼んでました) という30階建てのビルを作り、 その中にアニメの製作機材やゲームの機材をそろえ 製作に国が徹底的な支援をするそうです わたしが見せられたのは、まだ計画書と完成予想図でしたが 「いずれ日本を越してやる」、 と韓国の人は自慢しておりました。 このメディアの塔はすでに完成しており、韓国で数年前から稼動中です NHKで取材をやっていたので見たことがある人もい
現役アニメーターによるアニメの現状、第2弾です。 まず、私は元アニメーターではなく、現役です 今年も原画・動画の仕事してました。 前のホームページで、アニメに戻れなくなった、と書いたので 元、と勘違いされたようです、が、 あれは、アニメ専業にもどれなくなった、ということで 今もアニメの作画しながらCGデザイナーやってますよ さて、本題に入りましょうか。 今回はかなり厳しい現実を書きます。 アニメーターにとって、ではなくみなさんにとってです。 「日本のアニメーターが全滅しそうな状況なんです」 のっけからこれですが、まぁ、これを聞いて本気で恐怖を感じる日本人はいないことでしょう アニメが見れなくなったら困る、というくらいの感覚でないでしょうか、 日本人はこの50年間、アニメというものを低レベルなもの、と蔑んで見てきました、 アニメーターをまともな職業だと考えてる日本
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