2010年6月末、京浜急行電鉄の電車「1000形」が引退した。高度成長時代に誕生して356両が製造され、50年間にわたり活躍した電車だ。ところで、このニュースを耳にしたとき、「どうして1000"系"ではなく、1000"形"と呼ばれるのだろう」と疑問に思った人も多いのではないか。JRや私鉄の多くの電車は「○○系」と呼ぶ。しかし、京急電鉄や小田急電鉄では「○○形」と呼ぶ。さて、この違いは何だろう。 引退した京急の「1000形」(左)と東急の「8500系」(右)。多くの鉄道会社は「系」を使っているが、京急など一部の私鉄は「形」を使う 「形」と「系」は、鉄道に興味を持ち始めたときに誰もが感じる疑問の1つ。鉄道ファンの多くは、疑問には感じつつ「みんなが呼んでいる方法に合わせよう」と、習慣として使いこなしていく。機関車や貨車は「形」、電車は「系」。ただし、京急電鉄・小田急電鉄・京成電鉄・西日本鉄道は電