収容している人々が命を落としても、なぜそのような事態に陥ってしまったのかが詳細に説明されることはない。恣意的で不公平、不透明な決定がまかり通るともいえる苛烈な環境の「入管」に、現在もなお数多くの非正規滞在者がとどめられている。彼ら彼女らはどのような苦悩を抱え日々を過ごしているのか。 共同通信記者の平野雄吾氏の著書『ルポ入管――絶望の外国人収容施設』から、巨大化する国家組織の知られざる実態を紹介する。 ◇◇◇ 問われているのは「体質」 全国の入管施設で、職員の制圧による収容者の負傷が相次いでいる。クスノキ(編注:前編で取り上げた)の例に加え、東京入管で2017年5月、イラン人男性が首や足首を捻挫したほか、同じ東京入管ではトルコ出身のクルド人男性が2018年5月、首を負傷した。大阪入国管理局(現大阪出入国在留管理局、大阪市住之江区)では2017年7月、トルコ人男性が右腕を骨折したほか、同一二月
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