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  • 大天才が自費出版した評判作を読んでみた!いしいひさいち『ROCA』|マンガ停留所|中条省平

    今回の作品は、いしいひさいちの『ROCA 吉川ロカ ストーリーライブ』です。 まぎれもない巨匠であり、一部のファンから大天才として熱狂的に礼讃される、あのいしいひさいちが1冊1000円(梱包料と送料は別)で自費出版しているマンガです。

    大天才が自費出版した評判作を読んでみた!いしいひさいち『ROCA』|マンガ停留所|中条省平
    kissenger8
    kissenger8 2022/10/01
    連載中不評だったのはファンからすれば理不尽な事実ですが、それでも富田月子シリーズよりは断然マシだし、てつとひなこシリーズも似た塩梅なので、まあこの作者の「突然シリーズ」としては平常運転なのよね
  • 本にグラスを置いてはならない|本屋の時間|辻山良雄

    の上にグラスを置いたりしたら私なら死刑よ」 アメリカの作家フラン・レボウィッツは、この春公開の映画「ブックセラーズ」の中で、そのようにまくしたてている。NYブックフェアを舞台にしたこの映画には、多くの書店主やコレクターが登場するが、要所要所でこの作家が語っている、に対する愛と少しの毒を含んだコメントが、観るものの笑いと共感を誘っている。 の上にグラスを置くなんて、そんな人は実際にはいないでしょうと思われるかもしれないが、それは案外そうでもない。いまよりずっと前、Titleが開店してまもないころだが、雑誌の取材にきたクルーがイメージカットを撮りたいと、何冊かのコーヒーカップを持って、二階のギャラリーまで上がっていった。 ふーん。イメージカットねぇ…… 嫌な予感がしたので(に「イメージ」なんかあるのか)わたしも二階に上ってみると、そのライター兼編集者の指示により、を何冊か積み重

    本にグラスを置いてはならない|本屋の時間|辻山良雄
    kissenger8
    kissenger8 2021/04/01
    定番ともいえるマクラ部分からの“店に並べている本は新刊本だが、それはお客さんが買った時点でその人のものとなり、〈新刊〉ではなくなる。では、その人が買う前は店のものであったのかといえば”以降への共感
  • 二〇二〇年、三月|本屋の時間|辻山良雄

    朝のうちに届いた荷物を棚に並べ、シャッターを上げて店を開ける。道路に出てみるともう春の陽気で、今日もよく晴れている。今年は結局、冬らしい冬の日が数えるほどしかなかった。 この少し緩んだ大気のなかに、いったいどれだけの量、ウィルスが混じっているのだろう。いや、それはそもそも花粉とは異なり、大気のなかには含まれないものなのだろうか? いずれにしてもその0から100のあいだにわたしたちはいて、そのどこにいるのか、誰にもはっきりとはわからない。 三月に開催予定だったイベントは、予定していたものも含め6つあったが、そのすべてを中止、可能なものは日を改めて行うことにした。危険の程度がわからないままお客さんと出演者に集まってもらい、無理に予定を進めることがよいとは思わなかった。 郊外にあるからだろうか、いまのところ客足は、そんなに大きくは変わっていない。いや、それでは少し不十分であり、人数としては変わ

    二〇二〇年、三月|本屋の時間|辻山良雄
    kissenger8
    kissenger8 2020/03/10
    “自分はこうした行為に抗うために、本を売っているのではなかったか。一人一人が考えて行動するためには、その人に戻るための本が必要である。いくらそのように言ってみたところで”という一節へ覚える共感
  • わたしたち後ろめたきもの|本屋の時間|辻山良雄

    先日、歳が二回りほど上で、いまは出版社を経営している男性と酒を飲んだ。幾つかの業種を渡り歩き、バブルの狂騒もその後に続く退却戦も経験している彼の話は金に関することが多く、確かな月日と少なくはない傷を感じさせるものだった。自分の人生を充分に生きていないかもしれないという後ろめたさは、若いころからわたしにつきまとっている一種の脅迫観念のようなものである。へぇ、そうですかと相槌をうちながらも、そうした危うさやある種の欲とは無縁でいた自分が意気地のない人間のようにも感じられ、聞いているあいだはどこか引け目もあった。 ここまでなかよくなったから言いますけど、最初あんたの顔を見たときは、なんて苦労のない、つるんとした顔かと思いましたわ。年長者には物事の質がよく見えている。そういわれるのは実はそれがはじめてではなく、ある葬儀のあと、遠縁のはじめて会った親戚からも、あんたはなんや幸せそうな顔しとるなと会

    わたしたち後ろめたきもの|本屋の時間|辻山良雄
    kissenger8
    kissenger8 2020/02/02
    “わたしにはなにもないから……。...それはわたしに話したというよりは、勝手に口をついて出てきたことばのように聞こえたので、より胸にこたえた”ここで突拍子もなく「黒い羊」が流れる俺脳内
  • 本という共通言語|本屋の時間|辻山良雄

    「古屋かと思って入ったけど、違うんですね」 築70年以上が経つ外観がそう思わせるのか、よろこび勇んで入ってきたお客さんに、そのように苦笑いされることがある。いや、新刊書店なんですよと答えると、大抵の場合その人は、それは失礼しましたと言ってすぐに出て行ってしまうのだが、すぐに出ていくというのは、そこにある新刊にはほとんど興味がないということだろう。同じ〈〉とはいいながら、新刊書店と古書店に来る客は、多くの場合あまり重なることがない(もちろん例外はある)。 になじみのない人からすれば、そこに並んでいるが新しいか古いか以外に大した違いはないのだから、来はもっと交流があってもよさそうなものである。しかし実際には、新刊書店と古書店では、ほとんど別世界といってもよいほどで、同じ町に店を出していても、互いのことをよく知らないまま商売をしていることも多い。 いまでは資力のあるチェーン店がほと

    本という共通言語|本屋の時間|辻山良雄
    kissenger8
    kissenger8 2020/01/15
    “新刊書店と古書店では...同じ町に店を出していても、互いのことをよく知らないまま商売をしていることも多い”ってところ、ほんそれ。ブックオフの各種施策が新刊書店の事業形態にどれだけヒントあるか、とかさー
  • いまわたし(たち)が直面している〈貧しさ〉について|本屋の時間|辻山良雄

    最近ではテレビのニュースを見ても、ツイッターのタイムラインを眺めても、こころ冷えることばかりであり、無意識に気持ちがとじこもりがちになる(こうしたとき、趣味読書というのは都合がよい)。 Titleは開店して来年で5年目を迎えるが、急速に世のなかを覆いはじめた〈貧しさ〉と無関係ではいられなくなった。貧しさといえば、まずはお金のことを想像されるかもしれないが、ここではそれに関して触れない。むしろささいなことに〈貧しさ〉の芽はあり、屋において、知らないに触ろうとしない人が増えたことは、その表れの一つだと思う。 でも映画でも、旅先の風景でもそうかもしれないが、一般に知識と体験の量が増えるにつれ、同じものを見たときの、理解できる箇所は増えてくる。 それに対して、「聞いたことのないだから」と、未知のものに触れることをやめてしまえば、その人に見える世界は段々と狭まってくる。それはまさに、日常の

    いまわたし(たち)が直面している〈貧しさ〉について|本屋の時間|辻山良雄
    kissenger8
    kissenger8 2019/09/15
    “本の世界に利便性が持ち込まれると、人の情緒に触れ、読む人を根本から変えていくような本は軽視される” この小説はビジネスにも有効だから必読、とか言いがちな層にすげー好かれる本屋ってあるよねくぁwせdr(ry
  • シンボルスカと良心、小商い|本屋の時間|辻山良雄

    いまわたしの手元には、『終わりと始まり』(未知谷)という一冊の詩集がある。著者のヴィスワヴァ・シンボルスカは1996年にノーベル文学賞を受賞し、この詩集もポーランド文学を代表する一冊として読み継がれているが、そこまで頻繁に売れているではない。 しかしどこかの書店でこのが並んでいる姿を目にすると、わたしはそこに、その店の〈良心〉を感じずにはいられない。すぐには売れないであろうをわざわざ置くのは、そこに何かしらの気持ちをこめているからだろう。そしてそのからは、数字でこそ測ることはできないが、そうあってほしい世界へと手を差し伸ばす、もの言わぬ意志を感じる。 過剰な売上主義に縛られた店には、このを媒介として、よりよい世界に向かおうとする意志が存在しない。損得のみで生きている人が淋しく見えるように、売上効率のみで作られた店は、売場がばらばらで、全体で見れば奥行きがなく淋しい。 わたしは自分

    シンボルスカと良心、小商い|本屋の時間|辻山良雄
    kissenger8
    kissenger8 2019/06/02
    “過剰な売上主義に縛られた店には...よりよい世界に向かおうとする意志が存在しない。損得のみで生きている人が淋しく見えるように、売上効率のみで作られた店は”以下、あくまで書店話だけど「あの話」としても
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