何かに迷った時は、あえて怖い人に相談することにしている。 怖い人というのは、ぼくに対してまったく遠慮なく意見をしてくるし、ちょっとその人の考えと合わない言動があるとそれを厳しく指摘して、徹底的に糾弾する。 そんな人と四六時中一緒にいては身体がもたないので、もちろん普段は距離を置いていたり、もうすっかり疎遠になっていたりする。 おそらく、怖い人というのは、自分で怖い人になろうと思ってそうなったわけではない。 ただその人は、とにかく自分の中に明確な価値観や判断基準があって、それを自分自身に対して非常に厳しく課していることが多い。 で、あまりにそれを厳しくやりすぎてしまって、ついつい相手にも同じ厳格さを求めてしまうのである。 そして気がつくと、相手の過ちや怠惰を指摘し、厳しく追及してしまうのだ。 もちろん、そういうことを繰り返しているうちに、自分が周囲から恐れられていることや、煙たく思われている