『ケララの風モーニング』沼尻 匡彦(ぬまじり・まさひこ)さん。約30年前、貿易の仕事で渡った南インドの料理に心奪われ、帰国後「ケララの風」を開業した。幾度かのスタイルチェンジを経て、現在は妻・恵美子さん(右)と二人で『ケララの風 モーニング』を営む。時おり炸裂するオヤジギャグも隠し味? 「まず前提として、世界中どこを見渡しても『カレー』という料理はないんです」 と、口火を切る沼尻さん。 そもそも「カレー」という言葉は、 18世紀にイギリスのC&B社がカレー粉を発明したときに生まれたと言われている。「辞典でカレーと引くと『カレー粉を使ったカレー味の料理』。カレー粉と引けば『カレーを作るときの調味料』と出てきます」。まるで鶏と卵のジレンマだ。しかし、それならばカレー粉さえ入っていればカレーと定義できるのではないだろうか。そんな疑問を投げかけると、「C&B社のカレー粉のレシピが残っ ていないこと