2011年は東日本大震災だけでなく、ユーロ金融危機、タイ洪水、中東革命など、社会を揺るがす出来事が多発し、多くの企業が事業継続計画(BCP=Business Continuity Plan)の重要性を再認識することになった。東日本大震災後の日本のあるべき姿を示した書籍『しなやかな社会への試練』の共同執筆者、京都大学防災研究所の林春男教授に、企業が策定するBCPについて聞いた。 ──『しなやかな社会への試練』の前著である『しなやかな社会の創造』でも提唱されている「リジリエンス」の考え方を、改めて教えてください。 林:「リジリエンス(Resilience)」には弾力性、復元力、回復力などの訳語がありますが、もう少し分かりやすく表現すると「しなやかさ」です。災害・危機に対応するために、組織はこの「リジリエンス」の考え方を取り入れなければなりません。 リジリエンスの考え方を取り入れた社会は、「被害