「信仰の自由が保障された平和主義の国家で民主主義的な選挙によって選ばれた政治指導者が、戦死者の霊を自分自身が信じる方法で追悼することが、平和への脅威や軍国主義への前進となるはずがありません」 米国ワシントンのジョージタウン大学のケビン・ドーク教授は6月はじめ、日本の国会議員らの靖国神社参拝について語った。日本の文化やナショナリズムの歴史の研究を専門とする同教授の意見は、いわゆる「日本の歴史問題」への米国側の態度が決して一枚岩でないことを証していた。 ドーク教授は2006年、当時の小泉純一郎首相の毎年の靖国参拝に中国などの反発がぶつけられたときも、参拝は自国を守るために戦死した先人の霊を悼む「人間の心の問題」だとして支持を表明した。 今年4月下旬、靖国神社の春季例大祭に合わせ安倍政権の閣僚3人や超党派の国会議員168人が参拝したことで、政治家の参拝をめぐる論議がまた国際的な波紋を広げた。 米