表紙とタイトルから想像できないが、文体も内容も驚くほど硬派だ。エロ本を論じているのに全くエロくない。確かに小中学校のPTA会長のお母様が白目をむくような内容も含まれるが、XVIDEOSで毎日が絢爛豪華のエロのフルコース状態の21世紀の男女には時代を切り取った、ひとつの産業ノンフィクションとして楽しめるはずだ。 エロ本が存亡の危機に立たされて久しい。本書を読んで驚いたが、『べっぴん』、『すっぴん』、『デラべっぴん』、『ビデオボーイ』の英知出版の四誌合計で毎月100万部以上発行していた。『投稿写真』は30万部、『ザ・ベストマガジン』はピーク時には100万部に迫ったとも言われる。出版不況とはいえ、かつて僕らを猿にさせたエロ本は部数減に歯止めがかからず、いずれも廃刊に追いこまれている。 90年代中頃には、本書の言葉を借りれば「パソコンのモニターを見ながらオナニーできるわけがない」と業界関係者は楽観
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