「労働意欲はあるんですけど、病気のせいで規則正しい生活はできないし、雨の日は身体も動かなくて……」 一日中閉め切られたカーテン、モノが散乱し足の踏み場がなくなった床――。我々を招き入れてくれた自室でそう語るのは松本浩之さん(仮名・40歳)。無職歴は一年だ。重度の睡眠障害・不安障害を患い、現在は生活保護を受給中だという。そもそもの病の発端は「3.11」だった。 「当時、派遣社員としてコールセンターの仕事をしていました。当時のオフィスは高層ビルの45階。もともとうつ気味ではあったんですが、高層階特有の“嫌な揺れ”で完全に心が壊れてしまったんです。睡眠導入剤を飲んでごまかしながら働くも、出社すればトイレに駆け込み嘔吐する日々。そんな状態になって3か月後には契約が打ち切られ、クビになったんです」 転職から半年未満だったために失業保険の基準は満たせず、貯蓄はゼロ。むしろ親の借金を200万円肩代わりし