変分法におけるラグランジュの未定乗数法を解りやすく説明します。統計力学では必須の手法です。 1.二変数関数の条件つき極値 簡単に説明するために、まず二変数の関数f(x,y)を取り上げます。 (1)因関数定理による解法 1.理論 変数x,yの関数f(x,y)が存在するとする。 そのとき、 なる関係式[これを条件式と言う]の制約の基で、関数f(x,y)の極値を求める問題を考える。 今、点P0=(x0,y0)においてf(x0,y0)が、極値f(x0,y0)=α0を取ると仮定する。 さらに、P0において(∂φ/∂x)、(∂φ/∂y)のうち少なくとも1つ以上が0でないとする。[すべてがゼロなら後で説明する勾配ベクトルが定義できない特異点になってしまうのでこの仮定は必要です。] 例えば点P0=(x0,y0)において(∂φ/∂x)≠0とすれば、因関数定理により(1)からP0の近傍で となる Ψ(y) が