試験機は油圧によって試験片に伸びを与えるものと電動モーターによって与えるものに大別できる。油圧式は大荷重の容量(数千トン)のものまであり,建築,土木材料の性能試験,実物大の部材,部品試験に使用される。通常の鋼材検査証明書等の機械的性質はこの試験機を使用して求める。 本実験では,後者のネジ式引張試験機(インストロン社が最初に製造したことからインストロンタイプとも言う。)を用いる。図1は試験機のシステムを示したものである。クロスヘッド上部に荷重検出器(ロード・セル)を固定し,さらにこれに試験片掴み具(チャック)を連結し試験片の上部を固定する。一方,試験片の下部は掴み具で掴み,これを剛体枠下部に固定する。クロスヘッドは,モーターで、両側のフレームにあるネジ棹(さお)を回転させることによって上下し,試験片は一定の速度で引き伸ばされる。この試験機の特徴は一定の変位速度で負荷することができ,変位速度の