■成り行きでかかわった組み込みソフト開発 現在はさまざまな方面から注目される組み込みソフト開発だが、豆蔵の執行役員で、ES事業部長の福富三雄氏が最初に組み込みソフト開発に取り組んだ当時は、まだ「組み込みソフト」という言葉は一般的ではなかった。 「そのころ、私は複写機メーカー系のソフト開発会社に所属していました。複写機に搭載されるソフトウェア、ファームウェアを開発することになったのが、いまにしてみると組み込みソフトに取り組んだ最初です」 福富氏は大学時代、無機化学を専攻した。そして卒業後、入社したのは無機材料系の会社だった。ところが、X線などによる材料の物性解析のためパソコンのプログラムを作るうちに、材料研究の仕事よりも、ソフト開発に興味がいってしまった。「自分も本格的にソフトウェアを作ってみたい」と考えた福富氏が転職を決意したのは、1990年、28歳のときだった。 ■オブジェクト指向のシス